道徳とフィクション

 「戦後教育で失われたもの」(新潮新書)は現在8刷で、私の中では一番よく売れた本です。

 それゆえ、反響もそれなりにあるのですが、中でも私にとって嬉しかったのは中堅・若手の先生方がよく、この本に感銘を受けたとおっしゃってくれることです。


 現在、私はそういう先生方が主催する「日本人の誇りを取り戻すための授業」セミナーに狂言回し役で参加しているのですが、そのメンバーの中に新渡戸稲造の「武士道」の考えを取り入れた授業を研究している人がいます(「国家の品格」の影響でしょうか)。


 新渡戸ねぇ…。着眼も方向性もいいと思うけど、強力な援護射撃がいりそうですね。

 だってフィクションなんだもん。

 まぁ、道徳的なことってフィクションが多いんだけどさ、二宮金次郎のマキとか。



 ということで、今度の新潮新書では、

 これから「武士道」をいじめ対策授業に使おうとする方に向けて

 援護射撃をしておいたつもりです。


 ※ ちなみに、藤原先生は新渡戸稲造の「武士道」がフィクションであることを百も承知の上で「国家の品格」を書かれたと思います。