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自分の実力と組織の力

勤め人をしていると組織の力を自分の実力と思ってしまいがちです。そして退職したあとで、その勘違いに愕然とする。そんな人を何人も知っています(皆さんに回りにも大勢いるでしょう)。
本を書くと、そういう宿命から逃れられた錯覚に陥ります。

「組織の中での評価がどうであれ、私は私だ。いまの立場は自分の実力で築いたのだ」

でも、残念ながら(少なくとも私は)そうではありません。


例えば今回の『いじめの構造』です。
発売1ヶ月ですが、決して、売れ行きのスタートダッシュが良い本ではありません。


それでも、紀伊国屋の直近1ヶ月の類書売り上げでは、
「ヒトはなぜヒトをいじめるのか」正高信男著
「教室の悪魔」山脇由貴子著
に続いて3位に入っていました。


正高氏は「ケータイを持ったサル」で大ヒットを飛ばしたサル学者ですから、まぁ個人の実力と言えるでしょう。


「教室の悪魔」はいじめ関連では一番売れている本ですが、その理由はネーミングの妙に加えて、発売時期(2006年12月)と社をあげた大宣伝のお陰でしょう(内容はただのヒステリックな煽り本です。「いじめの構造」はこの程度の本が売れている現状を変えるべく書いた本です)。


では、「いじめの構造」はと言えば、残念ながら「森口朗」ではなく「新潮新書」のネームバリューでこの位置を確保しているといった部分が相当に大きそうです。


メジャー出版社から本を出せば、圧倒的に有利なのが現実ですが、その分プレッシャーもあります。
会社の看板を背負って仕事をする勤め人ほどではありませんが、現代社会は「組織の力」から逃れることはできないのかも知れません。