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私がTOSSを批判しない理由

昨日の後藤和智氏の「個人的」感想、「TOSSを持ち上げるのは減点だろう」という内容について、

K@KK様からとても適切かつ深遠なご指摘をいただきました。


K@KK 『はじめまして。
私も『いじめの構造』を拝読し、明快さに感銘を受けつつ後藤氏と同じ点に疑問を感じた者です。
私の場合、単にTOSSに対する生理的不信感というよりも、これまである種の疑似科学やその基盤となる思潮を育む温床となってきたor食い物にされてきた科学や心理学の諸理論(マズロー、ロジャーズ、フランクル・・・)と親和性の高いシェーラーを起点にした内藤朝雄氏のいじめ理論を紹介するに当たって、その手の(「世界と繋がってる感」を捏造することに心血を注ぐ類の)人たちに「いじめの原因はα-体験構造の喪失にあり、ならばその体験を補えばよい。そのためにも〜<my理論を代入>」といった要領で安易に転用されないよう、紹介者として釘を刺しておくべきだったのではないか(なのに留保なくTOSSを持ち上げるなんて)と思うのです。
(28歳会社員)』


本ブログをきっかけに昭島議会は動いてくれるは、このようなハイレベルで哲学的な指摘はしてもらえるはで、
書き手としては嬉しい限りです。

K@KK様が持たれた疑問(というか森口への不信)は、知的かつ科学的思考のできる方ならば、当然の疑問であると思います。

昨日も述べたようにTOSSには、EM菌を使った環境教育、「水は何でも知っている」という書物を使った波動教育と、疑似科学を教室に持ち込んだ前科があります。

しかし、私=森口は、それを百も承知で私はTOSSの活動(=授業技術の発掘、検証、紹介、伝承等)に一定のプラス評価を与えています。

それは、
1 TOSS疑似科学を教室に持ち込んだのは故意ではなく過失である、と森口は推測している。
2 TOSSは、現在、疑似科学授業を中止している(ただし、疑似科学持ち込みについて謝罪はしていません)。
3 TOSSが持ち込んだ疑似科学どころではない、オカルト思想・教育であるシュタイナー教育が、総合学習を契機に学校に持ち込まれており、文部科学省や教育学会はそれを承知(一部論者は奨励さえ)している。残念ながら日本の教育界の科学的リテラシーに対する認識はそのレベルにある。
4 日本人一般の科学リテラシーはさらに低く、「みのもんた」などの芸能人がTV番組で垂れ流す疑似科学に振り回されるレベルにある。
5 3,4の現状にある現在、TOSS疑似科学は誉められたものではないが、教育界外部のインテリが心配するほど(TOSS単体で)害が大きくはない(悲しいけどね)。
6 日本の教員の水準=学校教育の水準は、「児童・生徒に『科学的リテラシー』を育成する」レベルにはなく、「児童・生徒に『基礎的リテラシーの向上』を保証」すべきレベルにある。
7 読み書きそろばんレベルの基礎的リテラシー向上に果たしたTOSSの役割はそれなりに大きなものがある。
8 K@KK氏が指摘する「世界と繋がってる感」を捏造することに心血を注ぐ性癖がTOSSに存在することは認めるが、それはTOSS独自のものでなく、むしろ戦後教育における教員全体の性癖である(給食残すとアフリカの子どもを持ち出すとかさ)。


以上を一言でまとめますと


「K@KKさんのおっしゃることは解るし、教育界の外から見ると当然だけど、日本の教育界や日本人全体の科学思考水準って、所詮そのレベルなんですよ。だから、TOSS疑似科学を推奨しているんじゃなく、TOSS疑似科学を排除する知性がないだけだと思いますよ。『世界と繋がってる感』が好きなのもTOSSだけじゃない、むしろそれは日教組など戦後教育を推進した連中が振りまいた幻想でしょ。それは日本教育界の課題ではあるけど、TOSSの課題じゃないんではないでしょうか」
ってことになります。


K@KK様、納得はできないかもしれませんが、私の主張の背景はご理解いただけたでしょうか。


ただし、TOSSが内藤理論を利用して、新たな疑似科学に走った場合は、K@KK様がご指摘するとおり、紹介者の私にも責任の一旦があると思うので、(少なくともその点については)徹底的にTOSSを批判することをお約束しておきます。