亀田親子傷害事件の嬉しい誤算

前回は、亀田親子による傷害未遂事件と書きましたが、その後の内藤選手の証言によりこれが既遂であることが判明しました。早期に回復されることを祈念します。

さて、それとこの親子に対し当初不問に付すつもりだったボクシング協会が、世論に押されて厳罰へと方針を変えたようです。前回のブログでは警察もTBSもボクシング協会も見てみぬふりをするだろうと予測していたので、これは嬉しい誤算です。


ボクシング協会の「厳罰」がどの程度になるかはわかりませんが、少なくとも「動いた」という点で評価すべきでしょう。


しかし、メディアの論調は、まだこの問題を「卑怯な亀田家」「亀田のボクシングスタイル」の問題におさめて、本当の問題に踏み込みたくないようです。


学校内の暴行、傷害、恐喝といった犯罪を「いじめ」という学校内の問題にすりかえたがる教育関係者とまったく同じ構造です。


この問題はボクシングの問題ではありません。


スポーツにより相手が傷ついてもそれが犯罪にならないのは「正当業務行為」という法論理によって、行為の違法性が否定されるからです。
しかし、亀田親子の行為は、故意による傷害ですから当然「正当業務行為」に該当しません。(カッとなって思わずした反則ならば、通常予期されるので「正当業務行為」の枠内ともいえますが、亀田親子の行為はボクシング関係者からも、その異常性が指摘されています)。


この問題はあくまで「3000万人が見ていた犯罪行為」を見逃すかどうかなのです。

万一、亀田親子のライセンスが3人全員剥奪されたとしても、彼らを刑事上不問にするならば、それでようやく、ボクシング協会やTBSは

「年金を横領した職員は、お金を返しているから告訴しない」といっているバカ市長程度になったというところでしょうか。


自分達の監督下で犯罪が行われた。したがって、これを告発する。これがボクシング協会やTBSのとる正しい態度です(どうせ無理だろうけど)。