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学校が「波動ビジネス」に加担する罪深さについて

Britty様から「波動ビジネス」にハマる人は今でも多いのか、というご質問のコメントがありました。

ハイ、多いです。

大阪大学菊池誠先生が、「波動ビジネス」批判の大御所ですが、残念ながら多勢に無勢です。

私も菊池氏とは立場は異なりますが、「水からの伝言」に批判的である点では同じです。



「波動ビジネス」「水からの伝言」についての疑似科学批判は菊池先生にお任せするとして、

本ブログでは、観点を変えて考えてみましょう(特に学校の先生に参考になれば幸いです)。


(1)「メディアリテラシィー」の観点から

「波動ビジネス」にハマっている人が多いかどうかをインターネットで調べましょう。

という課題があったとします。

 学校の先生方には真正直な方が少なくありませんから、こんな課題が与えられるとすぐに「波動ビジネス」と検索してしまいます。


 試しにグーグルで検索したら、たったの3270件でした(「森口朗」でもその位はヒットします)。
 しかも、中身は批判的なものが少なくありません。


 さて、ここで「波動ビジネスなんて騒ぐほどのことでもない」と思うのは早計です。

「波動」で金儲けをしている人は自らを「波動ビジネス」とは書きません。

「あなたが健康でない真実の理由は『波動』にあった…」とか、なんとか書くはずです。

そこで、「波動」「健康」で検索します。

はい、出ました。 なんと172万件!

 3270件と172万件。これが波動ビジネスを取り巻く現実(インテリとバカの比率?)です。
 日本人はここまで阿呆になっているのです(Britty様。答えになりましたでしょうか)。

 インターネットは素晴らしいツールですが、その中にある情報は玉石混交で、しかも大多数が「石」です。

 ところが、子どもにその「石」情報を調べさせる作業をせっせと授業中にやっている先生が、大勢います。

 まず、ご自身が石と玉を見分ける知性を身につける努力をしてほしいと真剣に思います。



(2)消費者教育の観点から

 波動ビジネスが流行るという現象には「疑似科学の流行」という側面と、「ネットワークビジネスの流行」という二つの側面があります。


 中長期的には「疑似科学の流行」は「日本人の知性低下」要因として危惧すべきですが、喫緊の課題はむしろ「ネットワークビジネスの流行」です。


 かつて「マルチ商法」や「マルチまがい商法」と呼ばれたビジネスに、厳しい規制がかかるようになりましたが、逆にその分「連鎖販売取引」として大手を振るようになっています。

 対象商品は、健康食品、化粧品、日用雑貨など様々ですが「波動」を利用した健康器具もその一つです。

 私は、「教育現場」的にはこちらの方が大きな問題だと思っています(疑似科学問題は、はっきり言って今の学校には荷が重過ぎます。科学的リテラシーの備わった教員なんて数十人に一人くらいでしょう)。


 サラ金が法規制され「消費者金融」となり、テレビでも堂々と宣伝されるようになれば、逆に、それに引っかからないようにするための「消費者教育」は重要になります。


 同様に、マルチまがい商法が法律で規制され「連鎖販売取引」としてテレビでも宣伝される現代だからこそ、それに引っかからない智恵をつける必要があるのです。

 なのに「水からの伝言」を授業で使用するとは…。

 致命的なのは、「水からの伝言」を授業で教えていた先生達が善意からやっていた点です(そう、彼らには『知性』こそが最も欠けているのです。そして、それはTOSSだけの問題ではありません)。


 学校という公的場で行われる「無知・無教養の再生産」それこそが最も恐ろしいことです。