いじめを見てみぬふりをする人は加害者である。
一昨年、いじめが社会問題になった際に流布された最もくだらない戯言である。
我々大人は、多くの不正義を見てみぬふりをして日常を過ごしている。
どんな不正義にも見てみぬふりをしない者は、この世知辛い世の中を生きていくことなど出来ない。
そして、だからこそ立ち上がる勇気は美しいのである。
もちろん、その美しさはリスクを孕み、愚かさを内包する。
教育の側面に「子どもを大人にする」という一面があるなら、まずその事実を教えることが第一である。
我が国の首相は、中華人民共和国によるチベット人への弾圧に対し、見てみぬふりをするだけでなく、「ダライラマは分裂主義者である」というデマを垂れ流しならが世界に対話してみせるポーズを高く評価した。
「いじめを見てみぬふりをする人は加害者である」と言っていたメディアのお馬鹿さん達の多くは、チベットで行われている弾圧に見てみぬふりを決め込む。
この国民にしてこの首相とは思わないが、このメディアにしてこの首相なのかもしれない。