明大准教授の内藤朝雄氏から、前回の記事「ふるさとは遠きにありて想うもの」にコメントをいただきました。
現在日本における「いじめ学」において最高水準の研究者である氏から書き込みに対し、何の分析も行わないのはもったいないので、これから何回かに分けて私の分析・評価・意見を書いていきたいと思います。
※内藤さんも、もしご意見があれば割り込んでくださいね。
今回は、そもそも私と内藤さんがどういう関係かについて、Wikipediaの「いじめ」の「いじめ理論」欄が上手くまとめていたので引用します。
『いじめについては諸氏により様々なことが言われてきたが、ここにきてやっと批評の対象となるものが出てきた。
内藤朝雄は社会学的・心理学的手法を用いて、2001年に『いじめの社会理論』を発表した。その中で内藤は「人間関係が濃厚すぎる集団内において生じる欠如を埋めようとする偽りの全能感」としていじめの理論化を行った。そしてその対策として「学級制度の解体」「警察の介入」を挙げた(2007年刊の『〈いじめ学〉の時代』は、その入門編である)。
森口朗は2007年の『いじめの構造』で、内藤の理論をベースに独自の「スクールカースト」の概念を導入した。これはクラス内の序列のことで、人気や「空気を読む能力」の多寡により上下し、下位になるほどいじめられやすくなるという。 今までの論者が素通りしてきたこの概念を取り入れて、森田は修正藤田モデルという四分類を作った。これによりいじめのモデルはかなり整理され、見通しが良くなった。そして分類毎にいじめの発生するメカニズムを考察し、具体的な対策を提示した。』
※ 途中、森口が森田になっているのはご愛嬌です。
難解な内藤理論の概要を自著で紹介しているのは、多分私=森口だけです(荻上チキさんも『ネットいじめ』の中で氏の主張について紹介しています)。
※ ご本人からも「80点。80点は合格点だから…」というお褒め?の言葉はいただいていますので、氏の著作で判らない人は是非『いじめの構造』(新潮新書)で予習してから読んでみて下さい。