小沢の大儀

今、日教組に関する本を書いているので民主党の動向がいつも以上に気になる。


さて、民意を無視する形で代表選挙に小沢一郎氏が立候補する気配である。
1 彼が代表になれば民主党の支持率がさらに低下すること
2 国会が始まれば野党は小沢氏のカネに関する質問に多くの時間を割き国政が滞ること
3 万一、解散になれば民主党政権そのものが終わってしまいかねないこと
など子供でも判る。



それでも、なお小沢氏は立候補せざるを得なかった。
そこには永田町の住人にしか判らない事情があるのだろう。
永田町の事情を門外漢の私が詮索するつもりはない。



私が気になるのは、小沢氏が万一勝ったとして、その後どのようにして国民を説得するつもりなのかである。これはデモクラシー国家日本の住民として、誰もが持ってよい疑問のはずだ。



私が考え付く国民をそれなりに説得できる理屈は、だた一つである。



1 現在日本は未曾有の危機にあり、大胆な政策に打って出る必要に迫れている。
2 しかし、先の参議院選挙で与党が過半数を失ったため、政府は大胆な政策を打つために必要な法律を通すことができない。
3 そんな中菅氏やその周辺は、参議院の多数派工作等について有効な策を打てないばかりか、挙党一致体制さえ組もうとしない。
4 そこで、検察審議会の審議を受ける身ではあるが、この難局を乗り切るのは自分しかいないという同士の声に後押しされて民主党代表選挙に打って出ることとした。
5 幸い公正な選挙により民主党代表にはなれたが、自分自身の今置かれている状況を省みれば、自分が起訴をストップできる総理大臣という地位に着くことに国民は納得しないだろう。
6 それならば、直近の民意である先の参議院選挙の結果を尊重して、この際総理大臣は「みんなの党の渡辺氏」にお願いし、私は民主党代表としてその政権を支えるために全力を尽くしたい。
7 これこそが、現在日本が直面している危機を乗り切るための最善の策である。

そして、政局は政界再編成へと一気に流れていく。



小沢氏は好きな政治家ではないが、今回の政局が保守合同のきっかけになるとしたら、久しぶりに(私の評価では初めて)存在意義を示したと言えるだろう。

いつもの、単なる「政局屋」「壊し屋」で終わるなら、一刻も早く政治の舞台から消えてほしいと思う。