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特別支援学校の校長問題

大阪府の教育改革を応援する立場から、副校長の採用には相当工夫が必要であるという指摘に続いて、もう一つ問題提起を。

それは、同じ府立学校ということで、高校と特別支援学校を合わせて公募する点です。

今は、条例制定を争点とした政治問題ですから、論点を判りやすくするために多少荒っぽくても良いのですが、条例が可決されると、学校運営に支障が出ないように丁寧な制度設計と制度運営が必要になります。

その際に最低限守っていただきたいのが、高校の校長募集と特別支援学校の校長募集を別枠にすることです。
高校も進学校、中堅校、教育困難校ではそれぞれ課題が異なりますが、特別支援学校が直面する課題は、高校とはまったく異なります。


現実の特別支援学校は、校長どころか教員さえ満足に集められていません。
特別支援学校の採用試験を受験した人に加えて、
普通の教員採用試験の際に「特別支援学校に行っても良い」という欄に○をつけた教員も
含めて採用しているのが、多くの都道府県の実情です。
また、給与が普通学校の教員よりも良いので、退職近い教員が給与の良さにつられて来る例もあります。


とにかく、教員が集まらない。その深刻さは、最近問題になり始めた小学校教員の比ではありません。
「みんなの問題」でないから社会問題として、大きくならなかっただけです。


それ以外にも、特別支援学校には
1)障碍が重度な子どもの増加
2)障碍の重複(知的障碍と身体障害)している子どもの増加
3)常時医療的ケアを必要とする子どもの増加(教員は基本的に医療行為をできません)
4)特別支援学校卒業後の進路問題
5)在学時と卒業後のケアレベルの格差(学校には膨大な予算をかけているが、卒業後の福祉は貧弱)
等々

およそ、障碍者問題や福祉問題、医療問題に関心の無かったビジネスマンが、いきなり校長になって対応できるとは思えない難問が立ちはだかっています。

それでも、私は校長公募については賛成です。

なぜなら、医療や福祉の分野で活躍されてきた方、例えば障碍者問題に詳しい病院経営関係者などが、校長として乗り込み、障碍者支援組織の中でもとりわけ閉鎖的な特別支援学校の在り様に新風を吹き込んでくれると期待できるからです。


公立高校の課題は、教育に関心のある方の多くが知るところですが、
特別支援学校は、課題どころかその実態さえ多くの人はご存じないはずです。

それを、一緒に募集するような乱暴な真似だけは、どうかしないでほしいと切望しています。