橋下徹に負けたのは誰だ

大阪市長選挙大阪府知事選挙に「大阪維新の会」が勝利した。

勝利の最大な功労者が橋下市長であることは言うまでもない。
W選挙を仕掛けたのは松井知事という話もあるので、松井知事の政治手腕も相当なものなのだろう。

では、橋下氏や松井氏、維新の会は何に勝ったのだろう。

対立候補に勝ったことは言うまでもないが、それ以外にも多くの敗者が存在する。

自民党民主党共産党といった既成政党はもちろん、左翼系のマスコミ、左翼系の著名人から保守系メディアの代表的存在である新潮社や文藝春秋社までネガティブキャンペーンに加担し橋下つぶしに走った。自治体幹部も官公労も一緒になって対立候補を事実上支援した。彼ら全員が敗者と言ってよいだろう。


自民党民主党共産党が、朝日新聞保守系出版社が、自治体幹部と組合幹部が手を組んでまで守りたかったもの。
それは「プロレスごっこ」である。


朝日新聞が白々しい綺麗ごとを書き「おめでたい人」が喜ぶ、それを保守系出版社が批判して「大人ぶった人」が溜飲を下げる。共産党が政府の「大企業優遇」を批判し、自民党民主党がそれを打ち消すように税金を垂れ流す。
自治体幹部が定年退職者分だけ定数を削り、組合幹部が現職公務員の生活を守ったと仲間に説明する。

そして、結局何も変らない。

朝日新聞にも保守系出版社にも既成政党にも自治体幹部にも組合幹部にも、昨日と同じ今日があり、今日と同じ明日が来る。


でも日本人は、そういう幸せな日本社会がもう長くもたないことを知っている。
いや、既に弱者から壊れ始めている。
それでも、自分達の番が来るまでは「プロレスごっこ」をしていたい人 と 破滅が来る前に本気で変ろうとする人との戦い。

それが大阪W選挙だったのではないだろうか。

「プロレスごっこ」という現状維持を望む人には方向性がないので右から左まで全員が一致できる。

しかし、変ろうとする人達の間では、どちらに進むかの議論・討論が欠かせない。
橋下氏、松井氏、大阪維新の会の苦闘は、これから始まるのだ。

それでも、どうか頑張りとおしてほしいと願う。
明日からの戦いに備え、今日は勝利の美酒を味わってほしい。