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TBSの偏向報道が酷すぎる

 大阪の教育改革に対する左派メディアの偏向報道は今に始まったことではないが、今日の報道特集はあまりに酷かった。

(「だったら見るな」という低レベルの批判をする人が未だにいるらしいので先に書いておくと許認可事業であるテレビ放送は他の報道と異なり中立性が求められています)

 アメリカのNCLB(No Child Left Behind)法と大阪の教育基本条例の類似性を指摘し、アメリカの教育改革が失敗したのだから大阪も失敗するだろうというイメージ操作を行っていたのである。


 いくらテレビの想定視聴者が知的水準の低い人達だからといって、いや知的水準の低い人を想定しているからこそ余計に、他国の教育改革の成果を番組制作者が勝手に失敗と断じるのは許されるべきではない(もちろん、元政策責任者に言わせるという責任逃れ策をうった上でのことだが)。


 NCLB法はブッシュ時代に制定された法律だが連邦議会が全会一致で議決したもので決して保守一辺倒の政策ではない。

当局によるとこの法律に基づく教育施策によって
1 アメリカの児童・生徒の成績は上がり
2 それ以前に存在した白人と特定の有色人種(黒人やヒスパニック)間の学力格差が縮小した。

 私とて米教育省の公式見解を鵜呑みにするほどナイーブではない。NCLB法の下で実施されるテストは連邦統一テストではないので、子どもの成績が上がったといっても怪しいものである。
 実際、PISAにおけるアメリカの成績はお粗末なままだし。

 それでも、2番目の人種間学力格差の縮小は大きな成果ではないか。

 もちろんNCBL法がアメリカで多数の批判にさらされていることは事実である。しかし、TBSに登場していた人のように単純にNCBL法によって全米の教育が悪くなったなどという人達は極少数に過ぎない(テレビがよくやる手だが、自分達の主張と合致する人だけを集めて編集したのだろう)。

 実際に行われている真っ当な批判は次のようなものだ。
1 NCBL法は連邦政府による州政府への過度な干渉である(古典的な米保守派から)
2 試験内容を州政府に任せていたのでは学力向上に資するか不明(学力向上推進派から)
3 教師の首切りは酷い(組合系の人々から)
4 もともと学力の低い地域の学校は学力が向上しても低い評価になる(一部の教育学者から)

 これらの批判を踏まえてアメリカの教育政策は大きく変ろうとしているが、TBSのようにNCBL法による教育政策が全くの誤りだったように断定し、それがアメリカの常識のような報道は明らかにミスリードである。


※ いまどきはネットで検索するとインチキ報道がすぐにばれます。その対策なのかTBSではあえて「落ちこぼれゼロ法」などという聞きなれない言葉を使い、教育研究者の間で標準的なNCBL法(「落ちこぼれ防止法」という訳語を当てる人も少数派ながらいるが「落ちこぼれゼロ法」は初耳)という言葉は一言も使われていませんでした。
 興味のある方は「NCBL」で検索してください。TBS報道とは全然違う姿が見えてきますよ。英語記事ならなおさらね。
 しかしフィンランド教育といい、日本の教育問題ってなぜ間違った事実や片寄った評価を前提に議論が進むのだろう。教育学者たちは何をやってるんだ。教師のリテラシーはどうなっているんだ。そりゃ「専門家」が政府の教育諮問機関からはずされるはずだわ。

※ciniiでの検索結果は「NCLB」41件、「落ちこぼれ防止法」4件、「落ちこぼれゼロ法」0件でした。
 ところがグーグルになると「NCLB」3,840,000件、「落ちこぼれ防止法」41,900件に対し、「落ちこれゼロ法」が621,000件と跳ね上がります。
 「落ちこぼれゼロ法」というのは、日本人の中で世界の教育事情をよく知らない方々だけをターゲットにしたデマ用に使われている言葉なのかもしれません。