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「生活保護は現物支給で」の注意点

 有名芸能人親族の不正受給発覚で「生活保護は現物支給で行えば」という主張が強くなっています。


 私も基本的には賛成ですが、先日の記事のように市町村に財源を移管した上で純粋な市町村業務にしないと必ず起こるのが
1 配給食センターなど現物支給を行う機関の設置
2 その機関への役人の天下り
といったお決まりの現象です。


 生活保護は膨大な予算が使われている割には、利権が国の役人ではなく政治家や一部の団体に握られている珍しい世界です。


 常に焼け太りを狙うのが役人の性ですから、現状のように国の予算を都道府県経由で市町村に配布するというやり方を崩しておかないと、現物支給をという世論を背景に、天下り先確保を狙ってくる公算が大きいでしょう。


 それと昨日の記事の訂正を一つ。

 私は生活保護の4分の3を国庫が負担してくれるので、生活保護は自治体にとって(ここでいう「自治体」は必ずしも市町村の公務員を意味しません)おいしい事業と書きましたが、akky氏がコメントでおいしさは、森口がいう程度ではないという指摘をしてくださいました。
 以下、引用します。


「地元自治体から見た生活保護、なかなかいい視点です。特に、中央の金を地元に引っ張ってくる有効な方法であるという点は素晴らしい。
ですが、重要な情報が欠けていますので、補足させていただきます。
1.国の補助は75%ではなくて、103〜105%です。厚生労働省から75%が支払われるのは森口さんのご指摘のとおりですが、
残り25%は総務省(旧自治省)から地方交付税交付金として裏補助されています。さらに、生活保護のために役人の人件費や諸雑費が必要
だということで、これも地方交付税交付金に上乗せされます。合計すると、100%を数%上回るのです。ある政令市で100億円の生活保護(医療を含む)を
支給したら、国からは104億円ほどもらえるのです。(以下省略)


 するどいご指摘です。

 もう少し詳細で専門的な話をしますと、

 例えばある自治体の受給者が10万人いて、受給総額が100億円だとしますと、まず受給額の4分の3として75億円が国庫負担されます。

 でも、国庫負担額はそれだけではありません。

 保護施設事務費(被保護者の入所や利用に伴う保護施設の事務費)、委託事務費(施設や私人家庭での保護委託に伴う事務費)も4分の3は国が負担してくれます。
 さらに社会福祉法人日本赤十字社が保護施設を設置するとその保護施設整備費(保護施設の新築・取得・増築・補修等の経費)についても半分は国がもってくれます。

 ここまでが国庫負担金。

 次に生活保護適正化事業については全額、生活保護法施行事務監査等事業(県のみの事業)には50%の国庫補助が与えられます。 


 さらにさらに、4分の1の自治体負担分は自治体の自主財源で行うべきなのですが、その財源が足りないと地方交付税がいただけるのです。

 結果として、受給者が100億もらうと自治体には75億円をはるかに上回るお金が国から入ってくるというのが現在の仕組みです。

 akky氏の示す104億円という数字が正しか否かを検証する情報を私は持ち合わせておりませんが、あながちありえない数字ではないと思います。