今こそフィンランドに学ぼう

学校や教育委員会がらみのいじめの隠蔽に続いて、体罰の隠蔽が明るみに出ましたが、これは大津市大阪市だけではありません。氷山の一角であり全国津々浦々で行われていることです。

犯罪の隠蔽という点では根本の部分は同じです。

 しかし、一部の人々からは「体罰が無くなったら生徒は益々教師の言うことを聴かなくなり無法地帯になる」といった声が聞こえてきます。

 心配はわからないでもありませんが、その理屈は通りません。
 体罰は戦前から一貫して違法であり、今回の大阪市立高校では違法行為が蔓延していたのだから、既に無法地帯だったのです。
 
 ただ、学校や教育委員会の事なかれ体質からして、「体罰」が問題になったことをきっかけに、益々指導が甘くなり、弱い生徒にとってより一層住みにくい学校になるという危険性があります。

 私は、こういう時こそ教育関係者が大好きなフィンランドを見習うべきだと思います。


 彼の国では、

1 相手が生徒であれ教師であれ暴行などで「教育を妨害する学習者」に対して、まずは文書で注意しそれでも言うことを聞かない場合はその者を「学習の場からの離脱」や「出席停止」にする権限が教師や校長に与えられています(日本では懲戒として学習の場から離脱させるという考え方はありませんし、出席停止権限も教育委員会にしかありません)。

2 また、教師や校長は「学習の場からの離脱」せよという指示を無視する学習者を学校の敷地から排除する権限を有しています。

3 さらに、敷地からの排除命令を無視する生徒に対しては反抗の程度に応じて有形力を使用することも認めています。

 学校の規律を維持するためや他の生徒を暴力から守るために、学習の場からの離脱を含めた懲戒権限と、それを実行あらしめる有形力の行使権限を、我が国の教師や校長に与えるべきです。

 正当な権限を与えないから、
1 違法な教師による暴力=体罰
2 違法な生徒による暴力=いじめと呼ばれる暴行
のどちらか、又は双方がまかり通るのではないでしょうか。