「右傾化時代の終焉」で「ゆとり教育」再登場か

安倍総理の無様な辞任劇と、福田自民党総裁(そして多分福田総理)の誕生により

10年間以上にわたった「右傾化の時代」は終焉するでしょう。


もちろん、安倍総理の辞任が、それを象徴する出来事であることは間違いありませんが、
「右傾化時代の終焉」を感じさせる出来事は、それ以外にもいくつかありました。

思いつくままに、それを列挙してみましょう。


(1)「新しい歴史教科書をつくる会」の内紛と分裂
 「逆歴史修正主義」とも言うべき酷い中学の歴史教科書を是正するために、保守系知識人だけでなく政治家や財界人などの支持を得て始まった運動でしたが、中心メンバーとなった人たち(多くは元左翼)の行動原理が左翼時代と何ら変わらないことを世人に見せつけ、多くの人の失望を生みました。

(2)「拉致被害者家族への同情心」の低下
 左翼=「人権を大切にする人たち」が、嘘っぱちであることを明らかにしたのが北朝鮮拉致問題でした。
 しかし、この事件を象徴する「拉致被害者やその家族」のイメージは、今では「可哀想な被害者」一辺倒ではありません。
 メジャーメディアでは、北朝鮮拉致被害者や家族を批判するのは今のところタブーですが、ネット内や生の言動では彼らへの批判が散見されるようになりました。
 このようになってしまった理由はいくつか思いつきますが、

・テレビ新聞メディアの恣意的な情報操作(小泉総理に御礼を言う場面を意識的にカットした等)

・著名被害者の芸能人化(エージェントが入って出演料交渉をしている方もいます)

・事務局の責任者である増本氏の「国政選挙への出馬」「その後の専業化」「芸能人との結婚」が「可哀想な被害者」像を破壊したこと

などが大きいでしょう。

(3)東條由布子氏の参院出馬と惨敗
 右傾化真っ盛りの数年前までなら無知な「小林よしのりファン」辺りの票を獲得して、もう少しはマシな戦いを出来たかもしれませんが、今回の参院選挙ではドクター中松氏にも遥かに及ばないという見事なまでの「泡沫候補」ぶりでした。
 私は、彼女の惨敗を日本の保守層の健全さを表すものだと評価しています。

 ※第2次世界大戦を聖戦と評価したり、戦時体制を「良かった」と評価したり、東條英機を英雄と考えるようなバカ右翼は極少数ってことです。

 また、同時に彼女の惨敗は「日本の右傾化が心配だ」などと煽っていた左派メディアのインチキ加減も暴露したのではないでしょうか。

(4)公明党以外の宗教団体の自民党離れ
 私は大多数の宗教団体を、55年体制の中で「保守」を右翼化させないために重要な役割を担ってきた存在であると評価しています。

(宗教団体=保守の支持基盤=右翼団体)というのは共産主義者のプロパガンダであり、未だにそんな考え方を信じているとインテリジェンスを疑われるので気をつけてください(といいつつ、まだそのレベルの出版物や人物が出回っているので困るのですが)。

 しかし、その宗教団体が「共産主義の崩壊」と「自公政権の長期化」によって自民党離れを起こしています。
 これは考えようによっては健全なことです。
 アメリカでは「プロテスタント=保守、カソリックを含むその他の宗教=リベラル」
 南ヨーロッパでは「カソリック=保守、プロテスタントを含むその他の宗教=リベラル」
というように、デモクラシー国家にあって、宗教団体はそれぞれに保守とリベラルの支持基盤を形成しています。
 それは、近代デモクラシー国家では自然なことであり、
 共産主義者に対抗するために、全ての宗教団体が唯一の保守政党である自民党を支持せざるを得なかった55年体制の方が異常だったと言えるでしょう。




 政治の趨勢ーが左右に振れることは、デモクラシー国家においては健全かつ当然のことであって、それ自体は何ら憂慮すべきことでありません。


 しかし、わが国は欧米諸国と異なり、共産主義独裁国家に隣接し、そこからのダーティーマネーに汚染されている(としか思えない)政治家がゴロゴロいるという異常性から脱却できていません。

 団塊世代のバカ左翼教師が定年になり、ようやく学校が正常化に向かおうとしているこの時期に、またまた共産主義独裁国家のエージェント達の発言力が復活する状況が出現してしまった…

 政治の変化にあわせて教育政策も「左に振れる」んでしょうかねぇ。

 学校で左派全体主義者(日教組思想押し付け派)が復活するとは思えませんが、形を変えた「ゆとり教育」が再登場しそうな嫌な予感のする今日この頃ではあります。