首相官邸付近の反原発デモのピュアさ

首相官邸周辺で反原発の大規模なデモが行われたようです。


私は基本的には、

1 エネルギー政策と安全保障政策の意図的混同(潜在的核武装能力を維持するために原発を持つ)を解消して、核武装をキチンと政治的議論の遡上に乗せる。

2 そのうえで原発は純粋にエネルギー政策の一つとして考え、経済が許す範囲内で徐々に「脱原発」を図る。

のが妥当だと思っています。


しかし、現在のような急激な脱原発は経済的な面からあまりにリスキーです。


オフィシャルな経済統計はまだ出ていませんが、私の知りえた情報では、昨年1年間の東京の鉱工業の落ち込みは想像を絶するものがあったようです。その理由としては、東日本大震災もありますが、それに続く電力制限令の影響も否定できません。


東京は関西圏に比較すると鉱工業の位置づけが小さいし、他の経済部門の回復力も大きいので、鉱工業は完全には回復できないかもしれませんが(何せ昨年の打撃で閉業や移転した工場も多いので)、その東京が牽引して首都圏の経済はショックから立ち上がるでしょう。
でも、関西圏で昨年の首都圏のような電力不足になったら、関西経済は二度と立ち直れないかもしれません。


その意味では、民主党政権がかなり強引に再稼動をしたことも、関西圏の首長さんたちがしぶしぶ大飯原発の再稼動を認めたのも、ナイスな政治判断です。


でも、首相官邸周辺で原発反対デモをやる人達のほとんどは関西人ではないので、そんなことは関係ないのでしょう。

被災地のガレキを拒否する人や、首相官邸周辺でデモする人に共通するメンタリティは、自分は赤の他人のためにどれほど小さなリスクだろうと負いたくないという、ある意味ピュアな感情です。


私は、この手のピュアな人達は苦手ですが、少なくともこれまでの官公労プロ市民だけがやっていた、不純な動機(職場の付き合い、特定政党の支持者獲得、組合活動費ほしさ等々)に基づくデモよりはましなので、生暖かく見守りたいと思います。