すごい「いじめ対策」をしていた先生から

本ブログの「このいじめ対策はすごい」という3年前の記事は、今でも多くの方が読んでくれています。

この記事のもととなった先生からメールを頂いたので紹介します(ご本人が固有名詞は出さないでほしいとのことなので、概略ですが)。


「その節は様々な角度から素晴らしいアドバイスを頂き、本当にありがとうございました。

特に森口先生がステージ上でおっしゃられていた「キャラ作り」のお話は、自分も当時生徒たちが「キャラ」を演じたり、人から押しつけられそうになっていたり、作ろうとして右往左往したり悩んだりしている姿を数多く見ていたので、いじめ問題にとどまらず当時の自分に最高のアドバイスだったと感じています。

以降、卒業を迎えた3年生(担任している生徒だけではなく、理科の授業で関わった生徒たち全員)に、「高校に行ったら、キャラは人から作られるな。自分で作れ!」と、少々乱暴ではありますが自分が主人公になって自分の個性を出していくことを贈る言葉としてきました。


今も3年前パネルトークの場でお伝えした方法を、(当然のことですが)対象生徒の実態に合わせて臨機応変に変えながら、いじめの問題だけでなく非行事象にも応用しながら、チームで取り組んでいます。

あの会場でもお話しさせて頂いたと思いますが、私の周囲の仲間の間では多少手法は違っても「イジメ被害を受けた生徒が元気に生活できること」を第一に考えて指導する者が多く、自分が特別賞賛に値することをしているという感覚は未だにありません。

それでもブログで取り上げて頂けたおかげで、多くの方がイジメについて真剣に考えて下さり、意見交換を続ける機会となることができました。
また、その後の森口先生による何回かのブログ内での補足?については、まるで私の考えがそのまま伝わっているのではないかと怖くなるような内容であり、わずか1、2時間の出会いの中でどうしてお分かりになるのか、不思議でなりません。

多くの方々にはなかなか信じがたいかもしれませんが、被害側、加害側すべての生徒が指導前より明るくさわやかに生き(もちろん手放しで彼らが幸せを謳歌しているという状態ではないと思いますが)、成長したという事実は、私だけでなく、当時の教員、周りの生徒たちが認めるところだと思います。いろいろな御意見があっても私の心が揺れないのは、その生徒たちとの思い出があるからなのだろう、と感じています。」


ちなみにこの先生は日教組の組合員であったと記憶しています(少なくとも当時は)。

ネット内では、大津の事件を単純に「日教組のせいだ」とか書きなぐっている単細胞な方がいますが、今やどの組織に所属しているから良い先生で、どの組織に所属しているからダメ教師ということは全くありません。

あえて言うなら、加害者人権の過剰保護という古い日教組的価値観を教育関係者があまねく持っており、教育委員会だとか、校長だとか、日教組だといった地位や所属団体での立場よりも、自分の良心に従う方々だけがまともな教育をしているのです。