今更ですが「コンクリートから人へ」を支持します。

選挙に突入すると政治ネタが書けなくなります。
また、恐らくですが民主党は次の選挙で政権の座から滑り落ち、これも恐らくですけれども、二度と政権の座に着くことはないでしょう。

ということで、これは民主党への鎮魂歌として書いておきたいのですが、彼らが前の選挙で主張した

「コンクリートから人へ」

という主張を私は断固支持しますし、次の政権でコンクリートに戻ることは決してあってはならないと思っています。


田中角栄が発明(あるいは洗練さ)した、「コンクリートを通じた所得再分配」(有効需要創設という正当性の限度を超えたバラマキ)という制度は、高度成長期には素晴らしいものでした。

本当だったら失業者が多発していたか、もっと早くに寂れていたであろう地方に、都会のお金を還流させることで、日本の田舎を延命させたのですから。


さらに、このシステムの素晴らしい点は、「働かなくても食っていける」というモラルハザードを発生させない点です。

しかし、致命的な欠点もありました。

第一には、地方の失業者予備軍に100万円渡るための必要経費が大きすぎる点です。

第二は、所得再分配の必要のない人が利得したり、必要以上の再分配にありつく人が出る点です。今でこそ地方の建設業は次々と倒産していますが、1980年あたりまで田舎の土建屋の社長様たちと言えば、ローレックスをはめて外車に乗るのが当たり前でした。


ということで、不況が長引く日本に再び「コンクリートを通じた所得再分配」などやる余裕はありません。

しかし消費税増税によって増える予算でこれをやりたがっている自称保守政治家は大勢います。もしも、そんなことが行われたとしたら、まさに亡国の道です。


所得再分配は必要ですが、
1 再分配にかかる必要経費を最小限に抑える。
2 利得者を出さない。
3 モラルハザードを発生させない。
の3点に留意しなければなりません。

となると理念的には今の日本にとって「負の所得税」がベストではないでしょうか。
その意味で維新八策に、ベーシックインカムと並列ではありましたが、「負の所得税」が明記されたことは日本政治史上画期的なことです。

さて、台風の目となる維新の会からの政策提示を受けて他の保守政党はどう出るのでしょう。

次の選挙で政党の勢力図は今よりも大きく右に揺れるでしょう。
民主党の大敗は確定的、社民党は反原発の「緑の党」化して更なる小政党へ、共産党も苦戦しそうです)

となれば選挙の主な争点は、
「復興財源や消費税増税分により再びコンクリートを利用して地方を活性化させようとする勢力」

「コンクリートとの決別を目指し、自主財源を増やして地方の自立を促す勢力」
のどちらを選択するかです。
(もちろん「保守」とか「右」というだけで毛嫌いする方は一定数いますから、そういう方々の票の行き場として共産、社民、民主も生き残りはするでしょうが、今回の大きな流れからは「蚊帳の外」になる気がします)


さて、後者は「維新の会」だけではありません。みんなの党も明らかにそうですし、減税日本が参戦する可能性もあります(自民党の中にも、いや、民主党の中にさえ後者の政治家はいます)。

ということで、次の選挙では、「コンクリートとの決別を主張する保守政党」か、せめて「コンクリートとの決別を主張する保守政治家」が全ての選挙区に立候補することを願って止みません。