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敵の敵は味方というロジックでイスラムを語る危険

イスラム国による日本人誘拐及び殺害事件に対する安倍政権の対応を評価する人が約6割で、身代金を払うべきでないと考える人が約7割という調査結果が出た。

左翼的正義を信じている人にとって、今の日本社会は恐ろしく右傾化しているんだと思う。
しかし、私の立場からすれば急激に日本社会がまともになっているとしか思えない。

もちろん200億円もの身代金を払うべきと考える人が2割近くもいるのだから、左翼的正義を頑なに信じる人もまだ多少はいるのだろう(あるいは幼児的な「〇〇ちゃんを何としても助けてあげて」という感性だけなのかもしれないが)。

中東問題に関して

1 中東と欧米(特に米英仏)は対立関係にある。
2 日本の右派は欧米諸国の中東における軍事行動を支持するが、日本の左派は彼らの軍事行動を支持しない。
3 よって日本の左派は「敵の敵は味方」という論理により中東の味方である。
という論法を左翼は戦後ずっと得意としていた。

この論法には、大抵2つのおまけがつく。

4 さらに日本国は米国に原爆を落とされたという点でも米国に空爆されている中東地域と同じ苦しみを共有している。
5 その上、日本には素晴らしい憲法9条があるので未来永劫中東で軍事行動を起こさない。

しかし、
これらの主張は世間から完全に見放されたようである。
最後の引き金を引いたのは後藤健司氏の母親だ。
あの前代未聞の愚かな会見により、中東問題と原爆や日本国憲法を結びつける主張は、それだけで「頭が悪そう」という認定を受けるだろう。

それはそれで喜ばしいことである。
ただ問題は、かつての古い左翼論理に対する反作用で、わが国の保守系の人達に親イスラム派が少ないような気がする。

実際には中東諸国は単純な反欧米ではないし、イラクのクエート侵攻の際には軍事的貢献をしなかった日本に対する評価は低かったというように、先に示した左翼の中東問題ロジックなど、日本の知能の低い人達を騙すためのマガイモノに過ぎない。


同じ「敵の敵は味方」という単純なロジックならば、中国の軍事的脅威にさらされる日本にとっては、
1 中国は今現在もウイグル地区においてイスラム教徒を弾圧している。
2 これに対し日本の左派は、それを見殺しにしている。
3 まだ大きな声ではないが、日本国内で唯一これを批難しているのは右派である。
4 したがって、日本の右派こそがイスラムの味方である。
という方が説得力があるだろう。

ただ、私としてはそのような「敵の敵は味方」という論法ではなく。
素直に
1 イスラム教徒に対する一切のヘイトクライムがなく
2 宗教的寛容性という点でキリスト教系の先進国よりも優れ
3 エネルギーの商取引という点で経済的利害も一致する
日本は、
イスラム地域の政治体制、宗教体制がどのようなものになったとしても
最も友好関係を維持すべき相手である
と主張するのが妥当だと思う。

今回の事件がどのような結果で終わっても、日本とイスラムの友好に傷がつかないことを祈っている。