教育格差と情報格差

日ごろ「教育格差はけしからん」と言っているテレビがとんでもないバカ差別をしている。


知的水準の低い人に向けて
「普段の100倍程度の放射線を浴びても、ただちに健康被害はありません」
という情報を
専門家を利用して流しまくっているのだ。



この情報は、まったく正しい。



確かに、日常の100倍程度の放射線を浴びても、ただちに健康被害は起きない。
しかし、放射線の毒性は短期毒性よりも長期毒性の方がはるかに重大である。
そして、放射線の長期毒性については、データが少ないため専門家の意見はちぐはぐなのだ。

何と言っても、現在起こっている福島原発の事故よりも大規模かつ深刻な原発事故はチェルノブイリでしか起きていない。


科学知識の問題において「何がわかっていないのか」という問題は「何がわかっているのか」以上に重要である。
ヨーロッパ諸国の国々が自国民に退避勧告を出したのは、このような認識に基づいている。
日常の数十倍、数百倍の放射線を例えば1月浴びた時の長期毒性(癌になる確率、奇形児が生まれる確率等の上昇)は判らない。


現代社会のインテリジェンスとは知識の量だけではなく、情報収集手段の多様性と「専門家」の情報との付き合い方である。


そして、テレビは視聴者がバカであることを前提に
「長期的な健康被害の有無は判りません」という事実を隠したまま、「ただちに健康被害はない」という事実だけを垂れ流すのである。

テレビの画面から私が感じるのは
「俺たちテレビ屋の情報だけを真に受けるバカは死んでも良い」
というどす黒いメッセージである。

ちなみに、先ほど検索したUSA版YAHOOのトップニュースによると、ワーストシナリオ(完全なメルトダウンが起きた場合)となった場合の死者予測は4000人から100万人である。
数字の幅が大きすぎるし、その根拠も不明であるが、米国が原発から自国民は80キロメートル
以上離れるよう避難勧告を出したことと妙に符号するのは不気味である。