フィンランド教育の実現を阻む「人権」

赤沢良太氏がコメントで指摘してくれたように、 日本の教育を良くするためには必要な改革は、左翼が主張している 「競争のない学校」や 「習熟度別授業の廃止」ではなく、同じフィンランドの制度の中でも 「集団教育に馴染めない子供の就学延期」 「義務教育…

本の裏側を少しだけ

本を書く人の少なくない方がそうだと思うのですが、出版を企画するに当たって「架空の読者」を設定します。つまり、 「読者は専門家か素人か」 「知的水準はどのくらいか」 「右か左か中道か」 等々を考慮しながら読者を想定し、 彼らに向けて本を書く訳です…

フィンランド幻想のウソを暴く

教育界というところは、堂々とウソがまかり通る世界です。そして、困ったことに世間の人は教師に「善意のウソつき」を求めてます。低学力の高校生に先生が、「君が今更勉強しても、大企業の正社員になれるような大学に行ける確率は極めて低い。だから『英語…

格差社会か階級社会か

宮台氏が岩波を擁護したのは非常に興味深いのでその考察を続ける。彼の思想転向は、自身も認めているし、弟子や元ファンからも指摘されている。私は、左翼時代の彼や脱左翼リベラル時代の彼にはまったく興味は無いが、現在のスタンスには大いに注目している…

それでも左翼は岩波から本を出すのか(その3)

社会学者の宮台真司氏が岩波のコネ入社をラジオで擁護していた。宮台氏は左翼ではないが、格差問題については左翼と共闘しているようなので、彼がどのような理屈で擁護しているのかは興味深い。要旨をまとめると1 近年の若者たちの中には人間関係を築けない…

それでも左翼は岩波から本を出すのか(その2)

岩波書店がコネのない者に門を閉ざしたことについては、多くの人が論評している。その中で数少ないながら、岩波を庇う論調があるが、どれも説得力を欠くものばかりだ。曰く 「コネ入社などどこでもやっている。むしろそれを明確にしたのだから良いのでは」 …

それでも左翼は岩波から本を出すのか

岩波書店がコネ採用の多い会社であることは、出版関係を目指す学生の間では常識だったらしい。それでも、さすがに堂々とコネ採用を宣言するとは思わなかった。岩波書店の論調は、古色蒼然とした左翼であり、近年では格差問題に関わる出版も多い。コネを有す…

いじめ問題の根の深さ

どなたが紹介してくれたのかしらないが、昨日から今日にかけて当ブログの「このいじめ対策がすごい」の大勢の人に閲覧してもらっているようだ。この記事は、当ブログの中で断トツの閲覧数を誇っており、いろんな方々が書き込んでくれるし、ご自身のブログで…

大切なのは思考順序

新潮新書から『いじめの構造』という本を出版したおかげで、いじめに関するシンポジウムに招かれることがあります。そういった席で、私が必ず話すことは「いじめ問題」を議論する際の順序です。 校内でいじめが発生した場合には、「被害者の保護」「加害者の…

日本橋大学の教員に対する同情とエール

赤沢氏から「日本橋大学」についてどう思うかについて質問を受けたので回答します。 正式名称は「日本橋学館大学」かと思います。数ヶ月前にネットで話題になっていましたが、赤沢氏の書き込みから察するにテレビでも取り上げられたようです。実は私も3月に…

団塊の世代はそばを打て

アルファブロガーで若き教員でもある赤沢氏から、退職した団塊の世代が地域にボランティアとして戻ってきて子どもをしかりつけている姿に脱力するという書き込みを頂きました。彼らの中には、 話す内容はいい歳のくせに反権力的、 でも目下の者に対しては権…

「年長者を尊敬しろ」は無茶な注文だ

私は言論的には保守に位置づけられるので、講演などに行くと 「最近の若者が年長者を尊敬しなくなったのは教育のせいだ」的な言動をされる方から 質問を受けることがある。まぁ、それもありますけどね。ただ、借金だらけの国で「政治家」や「公務員」という…

橋下徹に負けたのは誰だ

大阪市長選挙、大阪府知事選挙に「大阪維新の会」が勝利した。勝利の最大な功労者が橋下市長であることは言うまでもない。 W選挙を仕掛けたのは松井知事という話もあるので、松井知事の政治手腕も相当なものなのだろう。では、橋下氏や松井氏、維新の会は何…

留学生が減ったことを嘆くなら

10年前と比較して米国への留学生が半減しているらしい。この事実から思うことは多いが、 メディアで「最近、若者が内向きになっている」と嘆く老人には、早く退場してほしいと切に願う。そういう方は、何があっても「最近の若者は…」というのだろう。私も「…

共産党支持者の知的劣化と共産党の存在意義

「左」と「右」の対立が、「理想主義」と「現実主義」の対立だと思われていた時代がありました。日本の半数以上の人が、左の主張は正しいと信じていたのです。実際の投票行動は、「正しい主張に賛同」する人もいれば、「現実は正しいことだけではない」と思…

犯罪集団が犯罪をやめたら罪は消えるか

日本共産党は1955年の第6回全国協議会で暴力革命を放棄したことになっている。しかし、その後の選挙戦略は以前とまったく変らず、通るはずもない選挙に立候補して、選挙をオルグ活動に利用している。近年、ようやく選挙戦略に変更が見られるようになっ…

大阪市長選挙から共産党が降りた理由

大阪ダブル選挙において、共産党は大阪市長選挙で候補者を降ろし、府知事選挙では候補者を立てたままにした。市長候補が降りた建前は、「独裁を阻止する」である。共産主義はプロレタリアート独裁を当面の目標とする思想であるから、 共産党が「独裁を阻止す…

競争原理と成果主義だけでは大阪病理は直せない

大阪市長選挙は橋下圧勝の様相らしい。 (独裁が党是の共産党が「独裁阻止」と称して敵前逃亡したことがその証拠である) これで、大阪府知事選挙も「維新の会」が推す松井一郎氏が勝てば、「維新の会」が多数派を占める大阪府議会では教育基本条例が可決さ…

大阪と教育は橋下徹にしか改革できない

橋下徹という方と直接お話したことはないので、その人柄はメディア情報や府庁に勤める友人の話からしか判らないのだが、多分に困った人なのだと思う。 困った人という点では、石原慎太郎東京都知事も同様に感じる方も多いと思うが、石原氏は少なくとも知事と…

大阪が背負った十字架

橋下徹氏に対する信じられないようなネガティブキャンペーンが行われている。 週刊新潮や週間文春による「親が暴力団」「被差別部落出身」キャンペーンである。本ブログの読者ならば、私が部落解放同盟の運動方針に対して否定的な評価をしていることはご存知…

特別支援学校の校長問題

大阪府の教育改革を応援する立場から、副校長の採用には相当工夫が必要であるという指摘に続いて、もう一つ問題提起を。それは、同じ府立学校ということで、高校と特別支援学校を合わせて公募する点です。今は、条例制定を争点とした政治問題ですから、論点…

副校長のなり手っているかな

大阪維新の会のドラスティックな改革を応援している。で、応援しているが故の苦言として読んでほしいのだが、今の条件での「副校長」公募は止めた方が良い。なぜなら、ろくな応募者が集まらないから。現在の学校運営は、圧倒的に副校長に負担がかかっていて…

教育界の「大阪の陣」 橋下改革を支持するが勝敗は微妙か

大阪がとんでもないことになっている。 知事が代表をつとめ、議会で過半数を握る「維新の会」と大阪府の役人が対立しているのだ。 こんなことは考えられないことである。役人が集団で与党政治家に歯向かうのは、通常以下の2つの場合しかない。 1つ目は、こ…

出たな!妖怪!!

5人の候補の中で断トツましな野田氏が代表に選ばれたと思ったら、なんと幹事長が日教組のドン輿石氏になりました。なんともすごい人事をやるものです。これで自民党やみんなの党は戦々恐々になるでしょう。日本の復興には、人材育成は欠かせないので、日本の…

やるじゃないか民主党

まさか、野田氏が総理になるとは思わなかった。命令権のない東京消防庁職員に「さっさと水をかけろ。でないとクビだ」とほざいた海江田氏ではなく、 保守のふりをしてちゃっかり在日コリアンの味方をする前原氏でもはなく、一番、国民受けしそうにない政治家…

○○が造り、○○が出演し、○○が見る

テレビはバカが造っています。これは、雑誌、新聞、テレビ関係の取材を何度か受ければすぐにわかります。 メディアで働く人の中でテレビ関係者の知的水準は断トツに低い。そして、ブラウン管の中の人も大抵はばか者です。 それを売りにしている人も大勢いま…

菅直人はなぜ最低最悪なのか

菅直人が日本史上最低最悪の総理であることは、多くの人が感情的に理解してくれると思います。 もちろん、私もそう感じている一人なのですが、何が「最低最悪」なのか、どうも自分でも整理できないでいたので分析してみました。 彼が政治家としてまったく無…

今、下水汚泥を肥料にする愚行

下水を処理する際に発生する汚泥には高濃度の放射性物質が含まれます。 そのことは避けられません。 だって、地面に降り注いだセシウムは、最後は下水処理施設に流れつくのですから。私はこの汚泥については埋め立てに使うのが良いと思っています。予備知識…

政府による殺人を許すな

内藤朝雄氏から、書き込みがありました。一人でも多くの人に知ってほしいという内藤さんの思いを受けて、本文にもう一度コピーします。 これをお読みの皆様も是非、ツイートや2ちゃんねる書き込み等の手段で広めてください。ちなみに私は正直、多くの人が恐…

本を書きたい人へ

「なんでお前ごときが何冊も本を書けるのか」と思っている(であろう)人から、「私も本を書こうと思っているのですが、どうしたら本を出版できるのですか」という質問を受けることがあります。 そういう時は、「偶然の積み重ねですよ」とか言って誤魔化しま…