2007-01-01から1年間の記事一覧

「スクールカーストの詳細」2ちゃんねるより

下の文章は、2ちゃんねるからの引用です。 書いている人は自分を「スクールカースト上位」又は「中位」と位置づけている人のようです(下位への悪意丸出しの買い方から推測)。 どの時代にも、この手のグルーピングはありましたが、 現在「上位」と位置づけ…

体調管理の重要性を実感

ここのところ体調が悪くブログの更新をサボっていました。年甲斐もなく、いろんなことに手を出しすぎたせいかもしれません。「2冊同時進行で本を書く」 「週末京都の大学院へのスクーリング+大学院のレポート・修士論文の用意」 「ブログの更新」 そのほか…

今なぜ武士道なのか その5

1 明治武士道もまた武士道である。2 今後、学校で教えられるであろう平成武士道も同様である。「その1」から「その4」まで『武士道の逆襲』という有力な反対論をベースに論じてきたのは、上記の2点を導き出すためです。その根拠は、1 もともと武士階級…

今なぜ武士道なのか その4

江戸期は「武士道」が武士階級の倫理規範から、日本人の倫理規範へと変貌した時代でした。もちろん、町人が「武士道」に則って商売をしていた訳ではないし、農民が「武士道」に則って田畑を耕していたわけではありません。しかし、(1)「武士に武士道があ…

今なぜ武士道なのか その3

菅野氏の『武士道の逆襲』の主張の概略は以下のようなものです。 武士道は中世から近世にかけて、戦うことを生業とした「武士」という特殊な階級に発達した倫理規範であり、明治の武士道とは根本的に異なる。 とりわけ新渡戸稲造や内村鑑三の武士道は、キリ…

今なぜ武士道なのか その2

本題の前に緊急報告です。6月26日火曜日21:00からに「グラスハーツ」というインターネットテレビに出演します。井の頭公園で10年近く前に知り合った「ひしだみつひこ」氏がMCを勤める番組です。6月29日AM10:00、7月2日AM4:00にも再放送があるので…

今なぜ武士道なのか

私の仲間に「武士道」を道徳などの授業に取り入れようと研究している先生がいます。今日から数回、このことの是非や今後の方向性について論じていこうと思います。論点としては、(1)そもそも武士道とは何か?(2)武士道を公立学校で教えることは特定思想…

あるべき断絶とあってはならない断絶 その3

前回、我々新人類と呼ばれた世代から左翼と断絶した本物のリベラリストや、右翼と断絶した本物の保守が登場しはじめたと書いた。例えば、前者が内藤朝雄であり、後者が和田秀樹である。内藤は、現政権を右翼政権として明確に否定する(この認識は私と異なる…

あるべき断絶とあってはならない断絶 その2

左翼・リベラル・保守・右翼という4つの立場において、デモクラシーが健全に機能するためには、左翼とリベラル、保守と右翼に断然があるべきであり、リベラルと保守に断絶があってはならない。しかし、日本の政治と思想においては、前者の断絶は存在せず、…

あるべき断絶とあってはならない断絶

我が国の政治と思想の不幸は、ヨーロッパにおいて存在する「左翼とリベラルの断絶」「右翼と保守の断絶」が存在しないことである。ヨーロッパにおいては、歴史的経緯からマルキストと社会民主主義は不倶戴天の敵である。しかし、わが日本ではマルキストの看…

いじめと校内犯罪の峻別

『いじめの構造』で一番訴えたかったことは、「いじめ」と「校内犯罪」の峻別です。 世のいじめ論を2つのステレオタイプに峻別するならば、A「いじめ」は重大な人権侵害である。だから「いじめ」は根絶しなければならない。というタイプの主張とB「いじめ」…

書いた甲斐があったと思う瞬間

印税生活を夢見ている方は世の中に少なくないようですが、労力と収入という点では、決して割りの良いものではありません。例えば、千円の本を一万部刷って印税が10パーセントとしても、著者の収入は100万円です。取材や参考資料にかかる経費が50パー…

教育再生会議の役割 その3

教育再生会議の役割とは何かの結論を書きます。 教育学者もいない、公立学校教諭もいない。 知的水準の低い人たちの受けを狙ったとしか思えないメンバー構成。 しかし、今後、彼らから出される提言は、それなりに国民にも現場にも「受ける」ものになるでしょ…

教育再生会議の役割 その2

教育再生会議のメンバーに「教育学者」と「公立学校教諭」が存在しないこと。これをどのように捉えるべきかは、重大な問題です。 私の立場(保守派)からの答えは明確です。教育学者と公立学校教諭が社会から信用されていないから、です。 だから、このよう…

教育再生会議の役割

教育再生会議の評判が芳しくありません。 安部政権に批判的な左派の評判が悪いのは当然として、保守的な人たちからも高い評価が聞こえてきません。 曰く「知的水準の低い人間をわざと集めたのではないか」(私もそう思います)「税金逃れをするような人間(…

スクールカーストとは何か〜その3〜

本ブログを立ち上げたことで、masao hateさん や repubric1963さん からご教授いただき「スクールカースト」概念がネットに登場した経緯がある程度分かってきました。 どうやら、アメリカのハイスクールで起きている現象が日本でも発生しつつあり、それを紹…

道徳が教科になれば「いじめ」は減るか

道徳が「道徳の時間」から教科「道徳」に変わります。 これによって2つの大きな変化が起きるはずです。第1は、「道徳」をサボる教員が激減し、道徳授業をしない教員が懲戒対象になります。 学校の先生はもちろん、子どものいる人もよくご存知だと思います…

フランス教育事情

昨日の続きです。 新幹線の中でフランス人女性から教えていだいたフランスの教育事情は、私がイメージしていた以上に「欧米的」でした。 まず、高校生までは、日本の高校ほどは勉強しないとのことでした(日本の高校生もアジアの中では勉強するほうではない…

小さな親善大きな収穫

昨年、思うところがあって京都のとある大学院(通信過程)に入学しました。ところが、タイミング悪く2冊の本を立て続けに執筆することになり(好きで書いたのですが)、2年間での卒業がきわめて厳しい見通しになっています。でも、とにかくやるしかありま…

スクールカーストとは何か〜その2

「今さら『はてな』でスクールカーストかよ」という声もある中、 すいーとぴー様から 「そもそもスクールカーストって何ですか」という質問がありました。『いじめの構造』(新潮新書)を書くにあたって、中高生や大学生にも「スクールカースト」について質…

スクールカーストとは何か

スクールカーストが従来から存在した「クラス内ステイタス」と同じか異なるか。つまり、スクールカーストとは 1 現在の中高生が「クラス内ステイタス」に付けた呼び名であるのか2 現在の中学生に起こっている新しい現象であるのかが定まっていません。 私…

新潮新書のタイトルが決まりました

6月に新潮新書からいじめ関連の本を出すのですが、そのタイトルが決まりました。 「いじめの構造」です。 シンプル過ぎますかね?いじめ問題について、冷静かつ真剣に考えて書いた本です。自分では、内容の深さ・分析の鋭さ・斬新さ、分かりやすさ等々の点で…

道徳とフィクション

「戦後教育で失われたもの」(新潮新書)は現在8刷で、私の中では一番よく売れた本です。 それゆえ、反響もそれなりにあるのですが、中でも私にとって嬉しかったのは中堅・若手の先生方がよく、この本に感銘を受けたとおっしゃってくれることです。 現在、…

「ひしだみつひこ」という変人

類は友を呼ぶというのでしょうか。私の知り合いは変人ばかりです。 その中でもトップクラスの変人は、グラスハーツというインターネット番組の プロデューサー、MC、そしてなんとスポンサーでもある ひしだみつひこ氏です。 何が変かって、スポンサーですよ…

スクールカーストといじめ

いじめとスクールカーストの関係をどのように考えるかは難しい問題です。 スクールカーストという言葉自体、まだ紙媒体で認知されていません。 私は、これに明確な定義を与えて分析しないかぎり、昨今のいじめ問題の実態を把握できないのではないかと思って…

締切前と井の頭公園

原稿ができていないのに原稿の締切が近づくと「現実逃避」したくなります。 そんなとき私は井の頭公園に散歩に行くことにしています。 土日の井の頭公園ではアートマーケッツ(アーティスト・クリエイターたちのフリマ)が開かれていて、 そこに出展している…

ブログはじめます

この日記の書き手は森口朗と言います。ひょんなことから、教育評論家なんてインチキな肩書きを名乗っています。気に入っている著作はこんな感じです。「授業の復権」(新潮新書) 「戦後教育で失われたもの」(新潮新書) 「偏差値は子どもを救う」(草思社…